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2011年回顧と(ごくごく)若干の展望

年の瀬を迎え、掃除やら家族との時間でまあ忙しく毎日を送っている。そういう家事に忙殺?され「静かな思考の時間」がなかなか取れないのは困ったものである。しかし愚痴ってばかりもいられない。ここで気持ちよく新しい年を迎えるために、まず2011年の総括を試み、いささかの展望のようなものを書いておきたい。

まず自分に今年何があったのか。当ブログの記録に基づき、以下に時系列で示す:

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1月 年末年始は実家にも帰らず信州伊那谷で家族とひっそり過ごす。ワクフ関連文書をコツコツ読む毎日だった。

2月 俄かに新疆の雑誌向け論文(維文)の改稿に時間を費やす(結局、出たのかどうか未確認。どうなったの?)。ほぼ20年ぶりにスキーを再開しイナリ駒ヶ根やぶはらで滑走。「意外に行けるじゃん」と気を良くする。

3月 東日本大震災。信州の我が家は本棚が倒れガラスが割れた程度。岩手内陸部の実家・親戚もほぼ無事なれど、沿岸部の姻戚にかなりの犠牲者が出たことを後で知った。陸前高田など子供時代からなじみのあった地域の津波被害に茫然自失。震災の影響で予定していた公開講演(青山)も中止。中央アジア古文書セミナー(第9回)に参加しいくぶん気分を持ち直す。

4月 新年度開始。AA研フェローとなり、科研プロジェクトを引き続き推進。また青山の基礎ゼミ担当(今年度限り)。

5月 現代ウイグル語読書会@東京外語大をはじめる。

6月 中国ムスリム研究会(第21回定例会)出席

7月 野尻湖クリルタイ参加。

8月 信州を一歩も出ず、子供とプール通い。信州でこんなにプールに入るなんて思わなかった。行ったプール →1, 2, 3, 4

9月 伯父の重興梅岳英彦大和尚、遷化(4日)CESS@コロンバス参加。3か月連続の海外報告はじまり。

10月 「中央アジアのスーフィズムとイスラーム」シンポジウム(プリンストン大学)招聘・参加

11月 「新疆問題を越えて」ワークショップ(オーストラリア国立大学)参加。内陸アジア史学会@富山出席。

12月 九州史学会特別企画「アジ文研・ユラ研の時代」出席

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こう書いてみると、今年は堅実な仕事をあまり前に進められず、伊那谷の自然を満喫し「のほほん」と過ごしてしまった1年であったとつくづく感じる。今年の一字は「絆」だそうだが、個人的にはもう「薪」と書くしかない。薪の調達と薪割り、薪棚作りと薪の乾燥、がこの一年だったと言えなくもない。これが「充電」と呼べるものであるかどうかは俄かに判断がつかない。

今年見聞きしたことごと、学んだかもしれないこと、知りえたことがいつか何らかの形で実を結ぶのかどうか。それもまたよくわからない(当たり前だが)。今年亡くなったスティーヴ・ジョブズによれば、そういうことはその時には分からないもので、後で振り返ってみて初めてそのつながりが見えてくるのもなのだという(そういうことをスタンフォード大学のスピーチで述べていた。どういう実を結ぶのかは神のみぞ知るといったところだけど、願わくばそれがせめて「良い実」でありますように。

研究面で今年を一言でいえば「ワクフ」とりわけカーシュガルのワクフというものの理解が僅かながら前進したということに尽きる。昨年までは数例の事例を提示するのがせいぜいだったけれども、今年は包括的に(少なくとも)カシュガル旧市を中心とするワクフの規模と分布を把握できるだけの材料がやっと出揃った。今年の野尻湖クリルタイとプリンストン大のシンポジウムではそのあらましを報告させていただいたけれども、次のステップとしては、個別事例の検討を丁寧に完成させて、あらためてカーシュガルのワクフの歴史的性格というものを他地域との比較の上で明らかにしてみたい(実際、この取り組みにはかなりわくわくしている)。

新年は何はさておき懸案の論集編集を終了させ、かつ新疆大学とのイスラーム聖者廟(マザール)に関する記述研究をいくらか前進させたい。これが喫緊の課題。そうそう忙しくはしないつもりだが、どうなりますやら。

また当ブログについても、新年からはいくぶん執筆の間口を広げて、記事を拡充させていきたく思っている。

新年辰年もどうかよろしく皆様のご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。

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