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CESS 12th Annual Conference, Ohio State University(2)

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今回の会場Blackwell INN前景。

さて、今回の大会でも私の専門に近い若い人たちが新疆研究のパネルを組織していたが、どういうわけか最終日の一番お尻に配置されてしまい、帰りの飛行機の関係でそれは見送りになってしまった。そのメンバーとは全く知らない関係でもないし、近いうちに再会する事も(実は)決まっているのではあったが、本当に残念だったことを最初に告白しておきたい。実に悔しい(プログラムを良く見てからチケットは予約しましょうー)。

ともあれ、今回、まず新疆関係の報告としては、以下のペーパーが実際に読まれた。
なおタイトル訳文は相当いい加減なのでご寛恕を請う次第。

メットトゥルスン・バイドゥッラ(ハーバード大学)
 「新疆におけるウイグル語、言語政策と文化アイデンテティ」
ライアン・サム(ロヨラ大学)
 「中国領トルキスタンにおける本と地理を綴じること」※
菅原純(東京外国語大学)
 「包括的な新疆所在聖地(マザール)データベースの構築」
グルナル・アズィズ(新疆社会科学院)
 「ウイグル人のための電子リソース」
アーロン・ギルキソン(マイアミ大学)
 「マザールの魂:新疆の漢人旅行者、ウイグル巡礼者、聖なる空間」
ジョシュア・フリーマン(新疆師範大学)
 「ウイグルの真正性の定義づけ:文字文化のヘゲモニーの喪失と伝統の創造」※
エリック・シュルーセル(ハーバード大学)
 「引き離された対話:トルコ・東トルキスタン間の理想主義とテュルク的想像」※
エリゼ・アンダーソン(インディアナ大学)
 「無形物のアイロニー:現代新疆のウイグル文化遺産」※
サム・バース(新疆師範大学)
 「人びとの祭礼:新疆のイードの即興性と形式化」※

※印は自分のパネルと同じ時間の別のパネルでの報告だったり、上述の痛恨の手違いで拝聴することがかなわなかったもの。

個別の報告の論評はここでは(長くなるので)控えるけれども、特記すべきこととしては、新疆師範大学に留学中のアメリカ人学生のフリーマン君とバース君の両名が留学先の学校名で誇らしく参加してくれたということが先ず挙げられるだろう。確か二人とももともとインディアナ大学の学生だったと記憶している(でも記憶が曖昧)。とくにフリーマン君は2008年のマザール会議に通訳者として縦横無尽の活躍をしてくれたので、今回再会出来たのは本当に嬉しかった。またサム君とシュルーセル君とはあらかじめ小仕事(原稿を読み合わせたり、新史料の読み合わせをしてみたり)を会場ですることにしていたので、それが果たせたのも幸いであった。

ともあれ、知っている人とはより突っ込んで近況の情報交換をし、知らない人とはお知り合いになる、という(ちょっと「俺の夢は、この学校の生徒全員と友だちになることだ!」と言ってのける新作の仮面ライダーの主人公みたいだが)個人的なポリシーは、新疆関係についてはほぼ達成されたので、その点、私の目的は果たせたといえるだろう。

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さて自分の報告。
今回の私の報告は日本の自分が代表を務める科研費プロジェクトの中間報告で、技術的なことはあまり深入りしないで、いまマザール研究がどういう段階にあり、そのデータベース構築にどんな意義があるのか、我々にとって理想的なデータベースのあり方はどういうものか、ということをプロジェクトに付随する形で得られた学術的知見(つまり、データベースとは無関係の、データの中身の話)を織り交ぜながらお話した。

なお、今回の私の参加パネルは「中央アジアに関する電子研究リソースの創造」というタイトルで、代表者は浩瀚な現代ウイグル語入門書の著者でもあるカンザス大学のアリアンヌ・ドワイヤーさんである(なお彼女の報告は実に要点を捉えた、中央アジア、とくにご専門の言語研究を念頭に置いた素晴らしい報告であった)。ドワイヤーさんは、実は新疆におけるわが師の(多分外国人としては最初の)弟子で、私の姉弟子にあたる。留学中からお名前を師から伺っており、2004年のロンドン会議で初めてお会いして以来、たびたびCESSでお目にかかっていたもの。今回は考えてみれば初めてその姉弟子(なんか字面がおかしい。でも「妹子」はもっとおかしい!)と競演…もとい共同で同じパネルを組んだわけで、実に幸いであった。
(ドワイヤー先生、いやアリアンヌ姐さん、またご一緒しましょう!)


また、新疆研究ではないけれども、授業で使っている本の編者の一人であるスコット・リーヴァイさん(※)とも今回はランチをご一緒し、あの本について「便利な本をどうも」とお礼を申し上げられたのは幸いだった。中央アジア史料の英訳アンソロジーである彼のその本は、学部学生と読むには実に便利で、勉強になる本である。その本について「私の専門の新疆の記事がどうして(中央アジアで書かれた)ムンタハブ・アッタヴァーリフなんですか(サイラーミーでも載せてくれればよかったのにー)?」とかねての疑問をお伝えすると、「あー、あそこ、あそこはね実は僕が訳したんだよ。そうかー、そこ読んでくれたんだ、ありがとう」と意外にもお礼を言われたので拍子抜けしてしまった(質問に答えてないし)。

リーヴァイさんは実は6年前から存じあげており、3年前には友だちに紹介もしてもらったのに、ちゃんと話したことがなく、何となく近づきがたいような印象を勝手に持っていたのであった。しかしお話しすると、この人は「天然」なのではないか、と思いたくなるほど明るいご性格で「ああ、日本にもよく似た先生がいるなあ」と思い至ったらイメージががらりと変わってしまったのは面白かった。そのリーヴァイさん、今回はご自分の大学(オハイオ州立大学)での開催のため、実質的な運営責任者として相当忙しくしておられた(お疲れ様でした)。

ともあれ、今回はあまり学術的な深い話を(いつものことだが)書くことができず、誰と会っていかに楽しかったか、という「学会自慢」に終始してしまったきらいがある。どうかお許しを。


※Scott Leviさん(オハイオ州立大学)。レヴィ、かと思っていたがアメリカ人なのでリーヴァイなのだった!本人が「やあ、リーヴァイだよ」と言うまで、どうしてそのことに思い至らなかったのか…そういえば最近はリーヴァイスを穿いていない。


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OSUのシンボルのひとつ、フットボール・スタジアム。
リーヴァイさんは開口一番「あれさ、サマルカンドっぽいよね」と仰せであった。


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ついでにOSUのフットボールチームのマスコット”Brutus Buckeye”
すぐれて「キモカワ」系のように思われたので記念に貼っておく。

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