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BOVINGDON, G. THE UYGHURS: STRANGERS IN THEIR OWN LAND.

Bovingdon, Gardner, The Uyghurs: Strangers in Their Own Land.
NEW YORK: Columbia University Press, 2010, 280p.
ISBN: 978-0-231-14758-3(paper) 978-0-231-51941-0(e-book)

著者のガードナー・ボヴィンドンさんは現在合衆国インディアナ大学で人類学を講ずる気鋭の研究者で、合衆国の新疆研究者のなかでも飛びぬけて元気のある活力あふれる好人物です。私はたとえば共同研究などの濃密なお付き合いはしていないのですが、2004年のロンドン会議で初めてお会いし、昨年のCESSトロント会議の際はトロント市内の四川料理店で大変楽しい語らいの時間を持たせてもらいました。漢語、ウイグル語ともに流暢で、また共通の(新疆の)知人もあったり、彼とお話しするのは実に楽しかったことが思い出されます。

さて、そのボヴィンドンさんのこの近著はずばり「ウイグル」を正面から捉えた著作ということができます。いわゆる「和平解放」を起点として、今日のウイグル人がいかなる扱いを受け、そして彼らが何を考え、そして行動してきたか(行動しているか)、というたいへん根本的な問いかけに、持てる手堅くもユニークな材料を動員して答えたのがこの著作ということになるでしょうか(異論は多分ないと思いますが…)。

以下は本書の目次(訳)です。拙い訳でごめんなさい:

序章
1.過去を用い現在に供す
2.他律性とそれへの不満
3.日々の抵抗:輿論上のたたかいにおけるゲリラ・アクション
4.集団行動と暴力
5.ウイグル国際組織
6.結論

ひとつだけ釘を刺しておきたいこととしては、本書はボヴィンドンさんのウイグル人たちに対する愛情に貫かれた一書だと私は思います。しかし、それは必ずしも漢民族とウイグル人を二分化してウイグル人側に与するなんてことを意味しているわけでは無いと私は思うのですね。この点を、ウイグル人のみなさんも、中国政府のお役人も分かってもらいたいものです。むしろ、本書は想像力のある中国のお役人が読んだら、新疆問題解決の糸口になるような知見がちりばめられているようにも思うんですけどね。ともあれ、多くの方、さまざまな立場の方が本書を冷静にお読みになることを願わずにはおれません。


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