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ユ、ボルジギン編著『境界に生きるモンゴル世界』

ユ・ヒョヂョン、ボルギジン・ブレンサイン編著『境界に生きるモンゴル世界-20世紀における民族と国家』 東京:八月書館、2009年3月、436頁

執筆者のおひとり、テグスさんのご高配でご恵贈いただきました。
(テグスさん、ありがとうございます)

テグスさんは一昨年実施された現代ウイグル語研修に研修生として参加なさり、それ以来のお付き合いです。言語政策がご専門で、ウイグルの文字改革にも並々ならぬご興味をお持ちでしたが、このたびこのような立派な論集にご論稿が掲載され、研究成果の公刊を果たされたのは、まさにご同慶の至りです。と、同時にこれまであまり勉強してこなかったモンゴル事情につき、勉強の機会をご提供いただいたことに深く感謝申し上げたいです。

例によって以下に目次を示します:

「境界」に生きる「モンゴル世界」-本書の射程と構成(ユ・ヒョヂョン)
第1部:見える境界と見えざる境界
 [第1章]中国東北三省のモンゴル人世界(ボルギジン・ブレンサイン)
 [第2章]ダウールはモンゴル族か否か-1950年代中国における「民族識別」と「区域自治」の政治学(ユ・ヒョヂョン)
第2部:境界、境界越えへのまなざしと思い
 [第3章]「境界」を行き交う民族の思いと大国の思惑-1920年代前半の「モンゴル世界」とソヴィエト、コミンテルン(青木雅浩)
 [第4章]統一文字への夢-1950年代中国におけるモンゴル語のキリル文字化運動(テグス)
第3部:特論
 [特論1]内モンゴル文字管窺-リグデン文学から覗く内モンゴルの文学と生活(佐治俊彦)
 [特論2]日本における「東洋史」の成立とモンゴル(松枝到)
感謝のことば(ユ・ヒョヂョン)
索引

なにしろ本日落手し、この本をまだ全然読んでいないので、現時点で私は本書につき何も語ることができません。ただウイグル人の20世紀を考察するうえで、いわばお隣のモンゴル人の20世紀を取り上げた本書の内容は大いに参考になることでしょう。どうも現代新疆研究は(国内外ともに、そして私も!)他者との比較という視点が弱く、新疆(あるいはウイグル人)のことばかりやれば足れりといった観が無いでもないのですが、同じ中国を構成する「少数民族」として、さまざまな面でモンゴル(とりわけ内モンゴル)の経験は、ウイグル人の現在の状況のどのくらいまでが中国プロパーの施策によるものか、そしてどのくらいからがウイグル人狙い打ち、というか新疆独自の施策の結果なのかを洗い出す上で重要な示唆を与えてくれるでしょう。


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