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Onuma, T., 250 YEARS HISTORY OF THE TURKIC-MUSLIM CAMP IN BEIJING

Onuma Takahiro, 250 Years hitory of the Turkic-Muslim Camp in Beijing. (TIAS Central Eurasian Research Series No.2) Tokyo: TIAS, The University of Tokyo, n.d., 67p.

著者の小沼孝博さん(学習院大学)よりご恵贈いただきました。
(小沼さん、どうもありがとうございます)


まず以下に目次(の私なりのルースな和訳)を示します:

前書きと謝辞
1.(乾隆帝建立)敇建回人禮拝寺碑記解題
  テクスト:漢文、満文、蒙古文、テュルキー文
  翻訳
2.北京の回子営:1760-1950
  回子営の設立
  北京における清政府とテュルク系ムスリム
  回子営の変化
終章:回憶・東安福胡同
グロッサリ
文献目録

本書は北京の「回子営」(清代乾隆期ごろより北京に営まれた回部のトルコ系ムスリム-つまり今日の新疆ウイグル人-の居留地)の現代までの250年を追った大変面白い研究です。これまで北京に「散居」する現代ウイグル人について研究したものはいくつか発表されています(たとえばこれ)。しかし、小沼さんのこの研究ほど周到に、歴史的に北京のウイグル人の歴史を綴った研究はなく、これは新疆史(というよりはウイグル史、でしょうか)に対する小さからぬ貢献といえるでしょう。

私も小村不二男の『日本イスラーム史』(1988)やMillwardの研究をはじめとする香妃関係の諸研究を通じて、回子営はかなり気になっていた物件でした。北京へ行くたびに国務院の向かいのあたりをうろうろしたりもしましたが、小沼さんほどの語学力も気力も体力もなく、はかばかしい成果は得られませんでした。小沼さんのこのご高著は18世紀の回部征服に伴う北京回子営の成立から清朝期の在京回子の状況、そして民国期の変動からさらに現代の回子の子孫たちのメモワールにいたるまで持ち前の的確な筆致で描かれており、回子営の明快な歴史的イメージを与えてくれます。一読者として本書の刊行と、拝読の機会を得たことを心より喜びたく思います。

余談ながら、小沼さんにはこの勢いで同じく北京にあった哈密館(清朝期~民国期に北京西単付近にあった哈密王の在京弁事処)をより詳しく明らかにしてもらいたいのですが、それは過大な願望でありましょうか。


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