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KASHGAR: Oasis City on China's Old Silk Road

KASHGAR: Oasis City on China's Old Silk Road. Photographs by John Collings, Text by George Michell, Marika Vicziany, Tsui Yen Hu. London: Frances Lincoln Ltd., 2008, 159p.

実は本書はほんのきまぐれで注文したのでした(失礼!)が、意外にも大変お買い得な良書でございました。

本書は一言でいえばカシュガル地区(カシュガル市のみならず砂漠地帯やオパル、アクトゥ、そしてヤルカンドといった地区内の町も含む)を撮った写真集です。しかし紹介された写真は20世紀初頭の古写真に始まり、マザールや宗教施設、旧市街など、どちらかといえば「研究者好み」の写真がちりばめられており、しかもそれぞれの写真の完成度が極めて高いことに大変感銘を受けました。

カメラマンの方をはじめ著者たちを私は不明にして存じ上げなかったのですけれども、新疆師範大学の崔延虎教授と豪州モナシュ大学のVicziany教授といった研究者が参加されており、たぶんそうした方々の趣味(大変好ましい!)がいかんなく発揮されているのではないかと思われます。

以下目次:

スケッチ
イントロダクション
-歴史のなかのカシュガル
-ウイグル人
-信仰と実践
-都市と近代化
-ツーリズム
山々と沙漠との間
商人と市場
旧市街
モスクとマザール
過去の探検の痕跡
旅行者の報告

文献目録
謝辞

解説文については一般向けということもあり、学術的には特に見るべき内容はありません。地名や人名はウイグル語から引き写された綴りではなく、英語風に修正が施されてはいますが、基本的には漢語の転写で書かれているようです。しかし写真は(何度も言いますが)実にすばらしく、史料的価値が極めて高いと私などは思います。本書のキャプション、解説だけではそれが十分に感じられないかもしれませんので、以下、私なりの補足までに書いておきます。

p.34 オパルのハズレティ・モッラム墓(通称マフムード・カーシュガリー墓)の「神木」ハイハイ・テレク
p.35-41 ヨプルガのおそらくは「アフンルクム」墓。解説にAqtuluqとあるのは誤記?
p.58-59 カシュガル日曜バザールの取引の様子。手を組み合わせて商談をまとめるところが実にうまく撮れている。
p.62-65 カシュガル帽子コレクション
p.80-81 カシュガル旧城壁(月城:ユムラク・シャフル)斜め上から見た写真は貴重。
p.108-109 旧ロシア領事館(現色満賓館)と旧英国総領事館(現其尼巴格賓館)
p.110 ヤルカンドのホージャ・ムハンマド・シャリーフ・ピール・マザール
p.112-114 イードガーフ・ジャーミー
p.115 ブラクベシのモスク
p.116-117 ユースフ・マザール(現状)
p.118 アルスラン・マザールとアク・マザール
p.119-125 アーファーク・ホージャ・マザール
p.126-130 オパルのハズレティ・モッラム・マザールとその周辺
p.131 マザール(特定できず)
p.132-133 アトゥシュのサトゥク・ブグラハン・マザール
p.133 ヤルカンドのアルトゥン・マザール
p.134-139 ヤルカンドのホージャ・ムハンマド・シャリーフ・ピール・マザール
p.140 ヤルカンドのアズナ・モスク
p.141 ヤルカンドのアブドゥラフマン・ワン・マザール
p.142 ヤルカンドのハフト・ムハンマダン・マザール
p.143 アルスラン・マザール
p.144-145 マザールへの供物(ちょっとびっくり)

ほかにもカシュガル旧市街の狭いコチャの風景やバザールの様子などはどれもすばらしく、一家に一冊とまでは言いませんがカシュガルに思い入れのある方には是非ご購入をお勧めしたいと思います。持っていて幸せを感じられる本だと思いますので。

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