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ラティモア『アジアの焦点』

ラティモア原著 ; 中國研究所譯『アジアの焦點』(東京 : 弘文堂, 1951年) 364頁
(オリジナル: Lattimore, Owen, Pivot of Asia : Sinkiang and the inner Asian frontiers of China and Russia. Boston : Little, Brown, 1950, xii, 288 p.)

新疆を語る上であまりにも定番の名著。その日本語版を古書店で発注、一昨日落手いたしました。この本は図書館で借りたりしていたのですが、(定番ゆえ結構どこでも目にすることが出来るので)ずいぶん遅ればせで自分の蔵書に加えることと相成った次第です。

本書は新疆と言う地域に特化して書かれた当時としては(いやいや、実のところ現在になっても)かなり珍しい本です。示される歴史は、1950年当時としては最良の史料と研究成果を踏まえて書かれていますし、また同時代史の記述部分にいたっては著者自身の現地体験も踏まえられ史料的価値すら有しています(『シンジャン・ガゼッティ(新疆日報)』ウイグル語版さえ利用されているのは驚きですね)。

私はどちらかと言うと後者のほうの必要からもう一度読んでやれ、と軽い気持ちであらためて本書を買い読んでみようと思ったわけです。しかし、頭から読んでいるうちに徐々にこれは簡単ではないと思うに至りました。それをここに書くと日が暮れてしまうので詳しくは書きませんが、ラティモアの本書に示された知見は一度ちゃんと整理して研究史の中でそれなりの位置づけを行う必要があるように思われます。こういう場なので思い切って無責任なことを書きますが、本書の出版から半世紀がたちましたが、新疆をめぐる事情やその歴史に関する知見は、枝葉末節な部分の情報は確かに増し加えられたとしても、大枠の歴史像はそんなに変わっていないように思えるのです。ひょっとして今の当該地域研究はまだラティモアを乗り越えられていないのかもしれません(?)。

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