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濱田正美『中央アジアのイスラーム』

濱田正美『中央アジアのイスラーム』(世界史リブレット70)東京:山川出版社、2008年、90頁。

週末に某研究会でお会いしたS先生から教えていただき、早速入手、拝読いたしました。

本書は90ページとコンパクトな体裁ながら、中央アジアのイスラームに限らずイスラーム史全体を俯瞰する上でも有用な著作だなあというのが本書を一読しての印象です。これまでシンメルとかトリミンガムとかをぺらぺらめくっては頭を痛めていた個人的な問題(?)があっさり氷解したような快さを覚えました(英語が読めていないだけだと貶されそうですが)。それにしても中央アジアというわかりにくい地域のイスラームの系譜について本書は広く深い知見がちりばめられていて、またよく練られた美しい日本語には別の意味で(つまり言葉と言うものの持つ力とでもいいましょうか)感動を覚えます。こういう日本語を書く書き手を学術の世界、しかも中央アジアの歴史なんてマニアックな分野で得たことを神に感謝いたしたいものです。

著者の濱田先生の主たる興味関心からは離れてしまうのでしょうが、本書はおそらく多くの人がそれなりの興味を持つであろうここ数百年(15世紀以降) のことはあまり触れられていません。しかしそれは考えようによっては学者の良心に照らしまともに扱いうる「歴史」がこのテーマではほぼその辺までなのだ、と言うことなのかもしれません(考えすぎ?)。

ともあれ、本書は僅か800円足らずで手に入れることが出来ます。お値打ちの一冊として心よりお勧めしたいです。

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